コラム

看護師の悩み 腰痛の予防・対策をして疲れない体を作る方法

看護師の多くが抱える悩み、腰痛。

一回いためてしまうとなかなか治らないのが困ったものです。

腰痛に悩んでいる人・腰をいためそうで心配な人に向けて腰痛予防と対策をまとめます。

一番の腰痛対策は結局予防です。

そのためはやはり体つくりと体のメンテナンスが重要です。

看護師の仕事は腰痛になる原因だらけ!

私達看護師の仕事は基本立ち仕事であり、何より力仕事です。

特に体が小さい女性の場合自分より大きな人を介助することがあるほど。

看護師は女性の仕事の中でもトップクラスに力仕事なんじゃないでしょうか。

立ち仕事で座れるのは昼休憩だけのときも

電子カルテになってからは記録を書きながら仕事を進めていくのでほぼ立ち仕事ですね。

座れるのは食事を食べるときくらいで体を休める時間も非常に短いです。

特に日勤終わりはもうクタクタ。帰りの電車のイスに座ってようやく『ほっ』とできるような状態です。

つまり仕事中に体を休憩させる時間はほぼないので非常に疲れがたまりやすく看護師は肉体労働です。

力仕事のうえ、無理な姿勢が多い

移乗・入浴介助・トイレ介助・おむつ交換・清拭・更衣など挙げ出したらきりがないほど力仕事が多いのが看護師の仕事です。

狭い空間での介助、急に立ち上がる患者さん、力がうまく伝わらない患者さんの体。

このように無理な姿勢で力を入れないといけない状況が多くあり、そのことも腰を痛める原因になています。

とにかく看護師の仕事は腰を痛める要素が多い。これは女性よりも力のある男性看護師も同様に腰痛に悩んでいることを考えれば明らかです。

最も効果的な対策は腰痛を予防すること

腰痛対策の最も効果的なものは腰痛を予防することです。腰痛にならないようにとにかく予防する。

効果的な予防のために今回は

①体作り
②体の使い方
③体のコンディショニング

この3つについてまとめていきます。

腰痛になりにくい体の作り方

腰痛にならないために鍛えないといけない筋肉はどこでしょうか?

腰痛予防だから腰の筋肉と思いますか?もしくは背筋でしょうか?

実は腰痛になりにくい体にするために効果的なのは腹筋を鍛える事が重要です

背筋は強いが腹筋は弱いのが私達の体

腰は背中側だから背筋を鍛えたほうがいいように思いますね。

しかし背筋は日常最もよく疲れている筋肉の一部です。背筋は抗重力筋と言って人間が直立二足歩行するために絶対に必要な筋肉の1つです。

つまり背筋は立ったり座ったり歩いたりしているときにも使われているのでそれなりに強く鍛えられている状況の人がほとんどです。

腰痛で腰が痛くて立てなくなるのは背中側の抗重力筋が傷んで使えなくなるからです。

このように実は背筋はそれなりに鍛えられているので弱くないのです。

背筋を腹側からサポートするのが腹筋

患者を介助する時に主に使うのは背筋です。

介助の際に背筋に繰り返し負荷がかかって筋肉を傷めてしまうと腰痛になります。

そうならないようにするためには腹筋の力が必要になります。

あとの体の使い方でも後述しますが、患者さんを介助する際に腹筋に力を入れてお腹側から背筋をサポートして介助を行うと腰痛になりにくいです。

そのためには腹筋を鍛えておく必要があります。

簡単で効果的な腹筋の鍛え方

立ったままやる方法と椅子に座ってやる方法を紹介します。

【立ったままやる腹筋の鍛え方】
①大きな呼吸で腹式呼吸をおこなう
②大きく息を吸い込んでお腹をへこませるようにしてゆっくりと息を吐く
③息を吐いてお腹を凹ませた状態を10秒ほどキープ
④お腹を凹ませている間も浅い呼吸はOK
⑤大きく息を吸い込んで繰り返し10回程度行う

これなら通勤中の電車の中でも行うことができるので時間をわざわざ取る必要がないのでおすすめです。

重要なのはできるだけ毎日行うこと。あれだけ肉体労働の仕事ですから日々の体作りは大切です。

【座ったままやる腹筋の鍛え方】
①背もたれに持たれずに浅く腰掛けて背筋をのばして座る
②肩幅に手を開き手のひらをテーブルの上につける
③膝は90度に曲げる
④膝を曲げたまま手のひらでテーブルを支えて膝を自分の胸につけるように上げる
⑤10-20回程度繰り返す

テーブルに座っているので挙げられる膝の幅は数十センチですがしっかりと腹筋に効いているのがわかると思います。

これも特別な姿勢ではないのでちょっと椅子に座ったついでにできるはずです。

わざわざ腹筋の器械を買ったりヨガマットを準備しなくても日常生活の中で腹筋は鍛えることができます。

腰痛になりにくい体の使い方

処置をするときは高さを合わせるのが基本

腰が痛い看護師に限ってやっていることですが、患者さんの更衣や清拭・点滴ルートと取る際にベッドを一番低い状態でそのままやっていませんか?

そのような状態では明らかに腰に負担がかかる体制で介助を行うことになります。

そうしないためになにか介助を行うときは患者さんの了承を得てベッドの高さを高くして腰に負担のかからない状態にしてから行いましょう。

腰をかがめて作業をすることがないように徹底します。

介助が終わればもとの高さにすることを忘れずに!

腰をかがめるのではなく、重心を下げる

看護学生のときに、『腰痛予防のために基底面積を広くして介助しましょう』と習いませんでしたでしょうか?

当時はなんのこっちゃと思っていましたがこれが腰痛予防には非常に重要でした。

患者さんの清拭や更衣を行うときは高さを調整して足は肩幅より少し広めに開いて立ちます。

こうすることで体の重心が下がり体を安定させて介助できます。体が安定しているということは背筋や腰への負担が低い姿勢なので腰痛になりにくい姿勢です。

車椅子に座っている患者さんを立たせるときも同じように重心を下げるように意識します。

腰を曲げて患者さんを支えるのではなく、膝を曲げて重心を下げて患者さんの体を支えるようにします。

このとき腰はできるだけ曲げないで胸を張るような姿勢で行います。

腰を曲げることなく胸を張った状態だと腹筋も使えるのでできるだけ腰は曲げずに胸を張って重心を下げて行いましょう。

・足を広げて基底面積を広げる
・腰を曲げるのではなく胸を張って膝から曲げる

立つときも基底面積を広くor片足に体重を乗せて

看護師なら立って電子カルテを打つ機会が非常に多いと思います。

こうした場合も足を肩幅に広げれば基底面積を広く取って体の重心が下がるので安定して立つことができ背筋を休めることが可能です。

もしくは片方の足へ多めに体重を乗せるような格好をして、足を交互に入れ替えて同じ姿勢が長く続かないようにしましょう。

こうすることで同じ姿勢が続いて背筋に負荷がかかるのを防ぎます。

力を入れるときは腹筋に力をいれて腹圧を高める

体を使う方法でいちばん重要なことは腹筋に力を入れて腹圧を高めて介助を行うことです。

普段運動をしたことがない人は『腹圧?』って感じですね。

お腹に力をグと入れることで腹圧が高まります。体、特にお腹の中の圧力です。

腹圧が高まると脊椎をお腹側から支えることができます。

背中側からは背筋が脊椎を支えているので結果的に腹筋と背筋で体の中心である脊椎を支えることで体を安定させます。

結果的に腹圧を高めることで背筋のサポートができるので腰痛の原因となる背筋のダメージを減らすことができます

筋トレで重たい重量を持つときや、ウェイトリフティングの選手がベルトを巻いているのは腹圧を上げて体を安定させているのです。

同じ原理で腰椎ベルトをすると腰からお腹周りをギュッと締めることで腹圧が上がるので結果的に腰の負担が軽減されるということです。

・腰が痛くなりそうなときは腰椎ベルトで腹圧を上げて腰の負担を減らす
・普段の業務では力が必要な介助を行うときはお腹=腹筋に力を入れて腹圧を高めて力を入れる

力を入れるときはとにかく腹圧をあげて行いましょう。

腰痛になりにくい体のコンディショニング方法

コンディショニングと聞くとスポーツ選手でもないのになんだかたいそうに思うでしょうが。

しかし肉体労働の看護師にとって体のコンディショニングはスポーツ選手が行うのと同じほど重要です。

コンディショニングの一番の目標はその日の疲れはその日のうちにとる。

疲れが取る努力をせずに疲れが取れないというのは間違いです。

しっかしコンディショニングを行えば疲れにくい体を作ることができます。

寝る前のストレッチを習慣にする

寝る前のストレッチは疲労回復に非常に効果的です。

そして疲れが溜まっている人は体が硬いことが多い。

ストレッチをして筋肉に溜まった疲れを取ってから寝ましょう。

【腰回りのストレッチ】
①開脚:座って足を広げて左右・前に体を倒す
②股関節:座って足の裏を合わせて体を前に倒す
③前屈:座って足を伸ばして体を前に倒す
④もも:片足を正座し片足を伸ばして体を後ろに倒す
⑤腰:立ったまま体を倒し手でつま先に触れる
⑥状態反らし:うつ伏せに寝て両手で床を押して体を反らす

寝る前にこの6種類のストレッチを行い腰回りの筋肉を伸ばして疲れを取りましょう。

はじめは体が固くて痛いですがなれてくると痛気持ちいいようになってきます。

入眠前の習慣になれまストレッチしながらリラックスできてすぐに深い眠りに付くことができるようになります。

体ゆらゆら体操がおすすめ

ストレッチの習慣が身についたらストレッチに追加で体ゆらゆら体操がおすすめです。

体ゆらゆら体操は別名金魚体操ともいます。

こんな漢字で体を腰を中心にゆらゆらと揺さぶって腰回りの筋肉を緩めるようなイメージです。

始めは難しいかもしれませんがポイントは脱力しながら腰を緩めてくねくねと動かすことです。

腰回りの筋肉が緩んで非常に気持がいいです。

どうしてもできない人用にこんな機械もあります。

[itemlink post_id=”757″]

[itemlink post_id=”758″]

体ゆらゆら運動は腰痛の改善、背骨・骨盤の歪み補正、腸のぜん動運動促進、などがあげられます。体のバランスを整えるのに非常に有効な体操です。

柔らかいベッドの上では難しいので床の上でやるといいです。

私はいつも体ゆらゆら運動でリラックスして気持ちよくなって寝てしまうこともあります。

はっと気がついてベットに行ったらすぐに爆睡です。

十分な量の良質な睡眠を取る

夜勤のある不規則な生活をする看護師にとって良質な睡眠を取ることは非常に重要です。

睡眠は習慣のため長い時間をかけて自分の睡眠習慣を作っていく必要があります。

当然のように言われていることですが、寝る直前までスマホをみないようにします。

おすすめの方法はストレッチをする前に目覚ましをかけてストレッチをして、体ゆらゆら体操をしてリラックスして眠るという寝るまでのルーティーンを作ることです。

人間の脳はルーティーンが大好きです。

寝るまでのルーティーンを身につければそのルーティーンを始めると体の眠るスイッチが入って安定的にぐっすりと眠れるようになります。

私自身このルーティーンを15年ほど繰り返しているので毎日ベッドに入ればすぐに入眠できています。

腰痛が出たら受診と内服と安静

腰痛が出てしまったら我慢せずに受診して痛み止めをもらいましょう。

場合によってはレントゲンが必要になるかもしてないので主治医にまかせます。

内服に関しても腰痛の原因がヘルニアでなければ痛み止めがよく聞くはずなのでためらいなく飲んで、飲んだ後は安静を守って腰の回復を待ちましょう。

急性期の腰痛には痛み止めが効果大です。

まとめ

『腰は消耗品だから大事に使わないとだめだよ』

これは私が毎年新人にかけている言葉です。

看護師として働き始めると、看護のことや仕事のことは教えてくれますが、腰痛にならないような体の使い方、コンディショニング方法は誰も教えてくれません。

これだけ腰痛の原因となる要素が多い看護師の仕事だから予防が重要なのです。

腰痛にならないためには

・体作り
・体の使い方
・体のコンディショニング

この3つを習慣にすることです。

これを繰り返していけば疲れにくい体になっていきます。腰痛になりにくい体です。

私達もプロとしてスポーツ選手のように体の状態を整えて仕事をする重要性を忘れてはなりません。