瞬間チェック

【胸腔ドレーンの管理】最低限知っておくべき事の瞬間チェック!

胸腔ドレーンの管理は最低限4つの観察ポイントを押さえておく!!

【胸腔ドレーン瞬間チェック】

①刺入部の観察⇛皮下気腫の観察
⇛大きな拡大がなければとりあえずOK

②ドレーンの排液
⇛胸水なら黄色透明 血胸なら排液は血性

③呼吸性移動の有無
⇛患者さんの呼吸に合わせて水封の水が動いていればOK

④エアーリークの有無
⇛水封の水がブクブクがエアーリーク
リークが出ていることは問題じゃない!

症状として患者さんの呼吸苦とSPO2の急激な低下があれば酸素投与して

ためらわずにDrコールしよう。

Contents

刺入部の確認から皮下気腫の観察

胸腔ドレーンの観察は患者さんの刺入部から観察をすると抜けなく観察できます。

胸腔ドレーンのズレはないか?

刺入部でまず確認することはドレーンの抜けやズレはないかということです。

抜けやズレに気付くためにドレーンを挿入したらすぐにドレーンチューブと皮膚にずれがわかるようにマーキングをしましょう。

刺入部の観察はこのマーキングからドレーンがずれていないかをまず確認します。

次に刺入部の状態です。

皮下気腫の観察

刺入部付近の皮膚を押さえてみます。

刺入部周辺の皮膚を押さえて

『プツプツプツ』

と通常皮膚を押さえた感じとは違う感じがあればそれは皮下気腫です。

押さえた感じは圧雪感=雪を押さえた感じと似ていると表現されます。

皮下気腫は気胸で胸腔内の組織が破綻してそこからもれた空気が皮下に溜まって生じるものです。

皮下気腫自体は大きな問題ではなく、時間が経てば自然と無くなります。

問題は皮下気腫の範囲が急激に拡大していないかということです。

範囲拡大にすぐに気がつくように皮下気腫が出た場合はマーキングを実施しましょう。

範囲が急激に拡大していて、患者さんが呼吸苦、SPO2の急激な低下があれば酸素投与を行いリーダーに報告してすぐにDrコールしましょう。

ドレーンの排液を観察する

胸腔ドレーンは目的によってドレナージしたいものが違います。

気胸=空気を引きたい
血胸=胸腔内の血液を引きたい
胸水貯留=胸水を引きたい

このように目的でドレナージするものが違うので患者さんの胸腔ドレーンを見た時になんのために入っているのかをよく考える必要があります。

気胸=空気を引きたい

気胸の場合は胸腔内の空気を引きたいのでドレナージで出てくる排液はほとんどありません。

患者さんの状態にもよりますが多くは穿刺時の血液が少し引けるくらいではないでしょうか。

空気を引きたいのであとで紹介するエアーリークが生じるのは正常です。

血胸=胸腔内の血液を引きたい

外傷などで胸腔内に血液が溜まっている場合は血胸or血気胸となってるので

血胸=血液
血気胸=血液+空気

をドレナージしたい状態です。

血胸の場合は排液は血液のため血性排液となります。

状態が落ち着いてくると血性⇛淡血性⇛淡々血性⇛漿液性に変化していきます。

血性の排液で注意するべきは量が急激に増えた時です。

目安として200ml/hを超えたらDrコールしましょう。

新たな出血が生じている可能性があります。

胸水貯留=胸水を引きたい

胸水が溜まっている場合は胸水をドレナージします。

胸水は本来は黄色透明ですが膿胸など感染を起こしている場合は胸水が混濁している場合があります。

胸水をドレナージする場合は挿入直後が一番量が出るので注意が必要です。

呼吸性移動の観察

呼吸性移動とは水封している水の液面が患者さんの呼吸に合わせて上下に動くことを言います。

呼吸性移動があればドレーンチューブが詰まることなくドレナージが確実にされていることがわかります。

逆に呼吸性移動が見られない場合はドレーンの閉塞を疑います。

今まで呼吸性移動が見られていたのに見られなくなった場合は注意が必要です。

チューブの位置で呼吸性移動が出にくい場合もあるので、これが出なくなったからといってすぐに大きな問題にはなりません。

呼吸性移動と排液をみて、排液が完全に出てこなくなった場合はチューブ閉塞が疑われるのでDrに報告しましょう。

すぐにDrコールが必要なのは患者さんの呼吸苦の訴えとSPO2の著明な低下が見られた時です。

エアーリークの有無

エアーリークは気胸で肺から空気が胸腔内に漏れている時にリークとして現れます。

気胸の患者さんで胸腔ドレーンを入れている場合はエアーリークが見られる場合がおおいです。

必ずしも見られるものではなく、患者さんの咳嗽に合わせて出たり、外傷性血気胸の患者さんなら絶えずブクブクと出る場合があります。

今まで全くリークが出ていなかった患者さんからリークが生じている場合は注意が必要ですが、一旦は経過観察して患者さんの訴えとSPO2をモニターすることになるでしょう。

気胸でエアーリークが出ている場合、気胸が改善すると消失します。

正常の経過ではリークは日に日に消えてくものだと覚えておきましょう。

まとめ

胸腔ドレーンの観察の最低限観察すべき4点を紹介しました。

仕事前に受け持ち患者さんにドレーンがついていて

『どうしよう!』

となった時にみる瞬間チェックです。

この記事は私が勉強した事と経験からまとめているため、正確な管理方法は各自の責任で行ってください。