コラム

看護師の新人教育で悩みイライラしている若手看護師のプリセプターへ

新人教育って本当に大変ですよね。

つい最近まで自分が新人だったのに急にプリセプターを任されて、新人にイライラしてしまったり悩んだりしている若手看護師は非常に多いです。

『自分が先輩にしてもらったときのように自分もしよう』

『新人をしっかりと指導して育てよう』

こう思って自分なりに一生懸命1年目に伝えても反応が薄かったり、自分だけ空回りな感じで虚しくなってしまうこともありますね。

でも、新人指導ってもっとシンプルな姿勢でしても良いのではないでしょうか?

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育てる・指導するからいったん離れる

プリセプターになると、新人指導をしなくてはいけないと思いますよね。

技術の指導をして、課題の提出を新人に言うのですが思うように1年目の指導が進まなくてイライラしてはいないでしょうか?

確かに、プリセプターの役割は新人に対して色々と教える指導的な立場です。

しかしつい最近まで自分自身が指導されていたし、逆に教え方を誰にも教わってないはず。

こうした状況なので上手くいかないと感じることは当たり前のことなのです。

自分が指導したり、育てると思いすぎずに、一旦その考えから離れてもいいと思います。

他人を変えることは本当に難しいし、本人が変わろう、成長しようと思っていないとそれは無理です。

こう考えるとプリセプターは成長するチャンスの提供と、その環境を整えることが仕事なのです。

減点法を辞めて、加点法で新人を見る

新人教育をしていると、

・あれもこれもできていない

・この前教えたことができていない

このように新人に対し減点法で見てしまいます。

これではあなたも新人看護師もストレスが貯まる一方です。

そうではなく新人を加点法で見てみると変化があります。

・ここができるようになった

・ここに気付けるようになっている

・もうこの事は頼めるようになっている

相手のできるようになった点に注目して行けばその成長は感じられるようになります。

新人も先輩からのポジティブな声かけが多くなりやる気が湧いて頑張る気持ちになれるでしょう。

言う事ははっきりと事実を伝えて感情は入れない。

では新人看護師を注意するときはどうするのかという意見があると思います。

それはだめな事、よくないことをしたときは事実だけ淡々と伝えて感情を入れないようにすることです。

できていない課題、業務、仕事に対する姿勢で注意すべき点があれば、本人に事実だけ伝えます。

課題ができていない、いつまでに出すか出さないのか。

業務の進め方、看護技術で問題があればその場ですぐに伝えて直してもらう。

患者さんに対する姿勢、良くない点、治すべき点を具体的に伝えてどう直すといいかまで言う。

相手に指導するというより伝える。

伝え方も事実だけ的確に伝えて感情は言葉にのせない。

こうする事でお互いにストレスなく関係を築いていけると思います。

後輩指導にありがちな、仕事終わりの振り返りで永遠にダメ出しをするような関わりをなくす。

これは自分がされていたから習慣的にしている、看護師の世界に強く残る典型的な良くないか変わり方です。

感情を言葉に乗せないことで後腐れなくできるところが利点です。

もし後輩指導で自分が感情的になっているなら誰も得をしないので意識して自分から直すと良いですよ。

自分と後輩のメンタルの事を思うととても意味のあることです。

一緒に頑張る、自分の背中を見せるでいい

新人看護師が先輩にしてもらって嬉しいことは、

一緒に頑張る

です。これにより新人は自分の存在を認めてもらえたと感じられます。

また先輩看護師としても新人と一緒に頑張ることを通して自分の看護師としての背中を後輩に見せられます。

新人看護師にとってはあなたの患者さんへの関わり方を見て自分の患者さんへの関わり方を学びます。

先輩が患者さんに丁寧に関わるようならその後輩も丁寧な関わりを身に着けていきます。

こういった姿勢は指導で伝わるものではありません。

一緒に頑張る

で伝わるものです。

言葉よりも行動と態度で伝える新人指導ってなんだか素敵ではないでしょうか。

伝わる子には伝わるし、伝わらない子には伝わりません。

それはそれでいいんです。

自分がしてもらった事をそのままするのは☓

人間は不思議なものです、特に新人指導の場合は自分がしてもらった事を盲目的にそのまましてしまいます。

つまり自分が新人時代にされて嫌だったことも不思議としてしまうものなのです。

それは意地悪でもなくて、そうするものだと当然のように感じてしてしまうのです。

しかしそれは良くありません。

基本的には

・してもらって嬉しかったこと→する

・してもらって嫌だったこと→しない

この姿勢がとても重要です。

仕事終わりの長時間の振り返り、挨拶を返さない、報告ができていないと怒る…

新人時代自分が嫌だったことを、そのまま後輩にしていないでしょうか。

新人指導の役割は

自分がつまずいたり、困って悩んだ事を新人が同じようにならないようにすることです。

だから自分が与えられていた先輩からのプレッシャーを同じように与えていてはいけないのです。

嫌だったことはしない。

当たり前ですが意外にできていない事に気づく方も多いのではないでしょうか。

1年で一人前の看護師なんてできるわけない

新人指導をしていると、どういう訳か1年で育て上げるみたいな考え方になってしまいます。

しかし私達の仕事はそんなに簡単なものなのでしょうか。

毎日の業務の中でいろいろな経験、失敗、悔しい思いを経て1人前の看護師は育っていくのです。

こう考えたら看護師1年目にそこまで厳しく指導する必要はなくないですか。

長い目で見て、とりあえず3年で色々と一人でできるようになり、仕事を任せられる位の気持ちで関わるほうがプリセプター側も楽です。

1年目は勤務表通りに仕事に来れたらそれで合格。

これ位の考えでも十分新人は育ちます。

病院という環境が育ててくれます。

それよりも1年目から厳しくされて、看護師という仕事を嫌いになってしまう方が大きな損失です。

1年完成の幻想を捨ててゆったりとおおらかな気持ちで新人と関わることができればあなたが抱える悩みやイライラは解消されるでしょう。

まとめ

新人看護師の指導は本当に大変ですよね。

自分も指導されたいくらいなのに人の指導を任されて悩んだり、イライラしてしまうこともあるでしょう。

だからこそ新人と一緒に頑張っていく、自分がされて嫌だったことはしない伝え方ができればあなたはもっと成長できます。

新人指導を通じて必ず成長できるはずなので、無理せず頑張りましょうね!