看護師の年収を上げるのに転職という方法を取る場合がありますが実は思うように年収が上がらない場合が多いです。
実際に私も転職相談で看護師転職サイトに登録して年収が上がる転職先がないか探してもらいましたが難しいようでした。
看護師以外の職業の場合、転職は年収を上げるためにする場合が非常に多いです。
こうした転職と看護師の転職を比べると、転職で看護師の年収が上がらない理由がはっきりと分かります。
それは看護師という職業・病院という施設が理由です。
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看護師の転職で年収が上がらないことが多い理由
実際に看護師転職サイトに登録して私が調べた限りでは、私の場合50万円ほど年収が下がるような病院を紹介することしかできないと言われました。
そもそも看護師という職業が高い年収をもらうような職業ではないことが原因です。
私達看護師の仕事の特徴と、病院ということを考えると納得できると思います。
看護師という職業は1人のカリスマよりチームが大事
サラリーマンが転職で年収を上げる場合、その会社で成績を上げて高い能力を示して、実績を示すことで年収を上げています。
つまり高い能力という武器を持って転職するから年収が上がるわけです。
しかし看護師という仕事はチームで行うものです。
みんなで患者さんを見て、みんなで看護していくという考えです。
つまり能力のカリスマナースを外部から引き抜いて病棟運営に生かしていくような方法は現場は求めていません。
よって現時点ではサラリーマンと同じような方法で年収を上げるような方法は看護師にはできません。
企業なら能力の高い人を高い年収で引き抜いて、管理職の立場におけば現場の成果は上がるかもしれませんが、看護師の場合はそうは行きません。
それは看護師という仕事の特徴も要因です。
看護師の仕事はノルマも業績もない
この記事を読んでいる看護師の方で、ノルマや業績を職場から課されている人はいるでしょうか?
看護師の仕事はノルマや業績など数字で評価されることがほぼありません。
サラリーマンの人は業績やノルマを達成することで自分の能力を示し、高い評価を得て年収を上げる転職をしています。
私達看護師の仕事は、同じ内容のことを自分以外の人も最低限の質を保って提供する仕事であるため数字で評価されないのです。
つまり客観的な仕事の力量を評価できる方法ありません。
一緒に働いている人ならその看護師が仕事ができるかどうかはわかりますが、病棟が違えばのもうわからないし、病院が違えば絶対にわからないですよね。
その看護師の能力を客観的に測ることができないので、能力を武器にした転職は看護師ではできないのです。
こうした理由から看護師の世界では経験年数がものをいいます。
私の勤める病院もそうですが多くの病院では看護師の給与は年次昇給です。
一年ごとに定額で基本給が上がっている仕組みになっています。
よって高い年収をもらうためには年次昇給で基本給を高めて行く必要があります。
ノルマや業績で客観的な指標で能力を評価する方法がないので、サラリーマンのような能力に応じた高い年収をもらう転職はできないのです。
ノルマや業績がないので頑張らないベテランが高い年収をもらっているということは看護師の世界ではよくある話です。
病院は医療保険という仕組みの中で経営されている
一般企業は資本主義・自由競争で成り立っていて仕事をやって利益を出せば出すほど儲かります。
やりようによっては利益は青天井なため、そうした利益をもたらす労働者には高い給料が支払われます。
しかし病院は医療保険内で経営されているため利益が青天井ではありません。
自分たちが行った医療や看護に対して保険点数が決められています。
だから儲けるにも限界があり、看護師の給料を高くする理由がそれほどないのが実際のところです。
医療保険をもとにした経営の方法上、看護師の給料は高くなりにくいので同様に転職で高い年収をもらうことは難しくなっているのです。
それでも転職で年収を上げたい場合は
上で紹介したように看護師の給与は上がりにくいので、転職をしても必ず今よりも高い給与をもらうことが出来るとは言えません。
しかし全く方法がないわけではありません。
看護師の給料が高い地域に転職する
看護師の年収には地域差があり、看護師が足りていない地域は年収が高く、足りている地域は安くなる傾向があります。
転職で年収を上げたいと思うなら看護師の足りていない地域へ行けば年収をあげられます。
地域別看護師の平均年収から紹介すると以下のようになります。
年収が高い地域=看護師が足りていない地域
1位:神奈川県…531.8万円
2位:東京都…516.5万円
3位:三重県…515.9万円
年収が高い地域=看護師が足りている地域
1位:宮崎県…403.4万円
2位:鹿児島県…404.4万円
3位:大分県…419.2万円
看護師の年収は西日本の特に九州で低くなる傾向が強いです。
こうした地域差を生かした転職であれば年収を大幅に上げることができます。
地域が違えば物価も違うので一概には言えませんが数字だけ見れば100万円の年収増加も可能な場合があります。
自由診療をしている病院へ転職する
自由診療をしている病院とは、おもに美容外科です。
美容外科の募集では看護師で日勤のみで月給30万円を越えます。理由は明白。医療保険外で経営されているので儲かった分は看護師の給料に反映できるからです。
年収だけ考えた場合、美容外科への転職も手段の一つと言えるでしょう。
管理職・スペシャリストとして転職する
私が以前転職サイトに登録して転職相談をした際に言われたのは
『管理職としての転職であれば年収600万円以上の案件をご紹介できます』とのことでした。
もちろん管理職の経験があって上でのものですが。
このように一般の看護師ではなく管理職としてなら多少客観的な評価を得られやすいのでこうした転職が可能になります。
どうように専門看護師・認定看護師の資格を持って入れなその資格を活かして今よりも労働条件の良い、年収UPを狙える転職が可能です。
それはただの看護師ではなくスペシャリストしての希少価値があるからです。
しかしながら看護師なら誰でも出来る方法ではありませんね。
応援ナースとして働く
応援ナースとはナーズ人材パワーが提案している働き方で、3-6ヶ月の短期間で人員の足りていない病院に応援ナースとして働きに行く方法です。
この方法を使えば基本給は40万円+夜勤手当+残業代の給料になるため額面で50万近くもらえるような働き方です。
応援先も自分で選らぶことが出来るので北海道や沖縄へ行くことも可能です。
北海道でスキー・スノボーをしながら働く
沖縄でマリンスポーツをしながら働く
このような働き方が出来るのが利点です。
しかし短期間の契約であり、長期間働くことを想定した働き方ではないため、長期的な年収を上げることには繋がりません。
看護師+αとしての生き方=副業
私が勧めたいのが看護師+αとしての生き方です。
もちろん仕事で年収を上げるのもいいですが、看護師は仕事の特徴上休みが多いため副業する時間はあるはず。
年収を上げたいなら看護師の給料以外の仕事から稼ぐことができれば良いのです。
勤め先の副業規定があるので個人の判断で始めていただきたいのですが、何から始めればわからない場合は看護師の単発派遣バイトへ行ってみてください。
一日1万円程度にはなります。
ひと月2回で12ヶ月で24万円。
月に2回行くだけで年間でひと月の給料分くらいは稼ぐことができます。
色々な副業がありますが、看護師の生かした副業から始めてみてはいかがでしょうか?
転職で目指すべきは年収UPから離れてみてはどうか?
看護師の方で転職を希望する方の転職理由の多くは職場の人間関係や、残業の多さ、休みが取れないなどが多く挙げられます。
転職するからどうせなら年収も上げたいと思うのは自然なことですが、転職先に求める条件を自分が嫌な条件が少ないということにするのはどうでしょうか?
年収は下がらない、もしくは少し下がっても自分が今の職場で転職をしたいと思った理由を解決できるような転職ができれば非常に満足度は高いでしょう。
年収にこだわりすぎす、自分が嫌だと感じる点が少ない病院を見るけることを転職の目標とするのが看護師の転職で失敗しない方法だと思います。
まとめ
看護師が転職で年収を上げにくいのは看護師の仕事の特徴と病院が医療保険内で経営されているからです。
地域差を生かした年収を上げる転職もできますが、それよりも看護師の転職で重要なのは自分が今の職場を離れたいと感じている理由を解決できることを優先事項において転職先を探すべきです。
年収は維持か少し減ったとしても自分のストレスも減っていればいいでしょう。
また看護師+αで稼いでいけば問題ないかと思います。
年収をあげる転職は簡単ではないですが不可能ではありません。
自分が転職したい動機をはっきりさせればきっと満足行く転職が出来るはずです。